16日火曜日

7月の始めに受けた検診の結果が来た。 もうなんと言ったら良いか分からないが今度はレントゲン検査で要精検の必要ありと書かれていた。

それまでマンモトームの検査の日を待つことで頭がいっぱいだったのが、一瞬にして『大腸がんの転移か?』それとも『やっぱり乳がんで進行したものなのか』と『死』を強く考え恐れ怯え絶望した。

このことを聞いた旦那は倒れ込み、長男はまだ確定じゃないだろうと言い、長女はなんとかなるでしょ〜と明るく笑った。 そして次男の表情が暗く変わった。 

旦那にはこれまで言えなかった私の心の底に溜まっていた言葉を思いつく限り突きつけた。 20年間ずっとずっと我慢して、言ったら傷つけてしまうだろうと、言ったら私が嫌われてしまうだろうと思っていたことを吐き出した。 そばで見守っていた長女が「息が上がっているから少し落ち着いて深呼吸をして話をしたら」と言っていた。 どうしてここまで私が旦那に対して思う事があるのかはいつか頭の中で整理がついたらここに書いていこうと思う。 今は説明ができない。 

全部言い切った後、酎ハイを飲んだ。 隣には長女が座ってお互いに喋りたいことをお喋りした。 よく分からいけど気持ちが落ち着いた。 あれだけ気が昂っていたのに何故かぐっすり眠れた。

そして朝目覚めた瞬間『なんで生きているんだろう』と思った。

洗濯して掃除していつもの家事は済ましたがもう何をしても心ここにあらずになってしまった。 

昼過ぎ旦那が帰宅し、「苔の森に行こう」と言った。 「行かない」と私は答えた。 行かないと言った後ずっと考えていた。 今日行きたかったところに行かないままずっとこうして家の中で虚ろに過ごしていていいのか? と何度も何度も自分に聞いた。 そして行くことに決め連れて行ったもらった。

家を出てからも旦那とは全く会話もせずに車に乗っていた。 高速道路に乗りしばらくすると、大好きな山と空と雲の風景が目の前に広がった。 心が落ち着いていきた。 高速を降りると田んぼや畑、山雲、空、道端の花全部が大好きな風景だったことを思い出した。  そして昨日吐き出した旦那への気持ちが私の中で要らなくなった。 

もう何度目かは分からないが私にとって大切なのは『今この瞬間』だと感じた。 大腸がんの宣告を受けてから1年間色々な事があったし今も続いているが、普通に楽しく『今』を過ごして来れたことが幸せなんだと思い出した。 でも本音を言うと、『苦しい思いをして死ぬかもしれない』という気持ちは決して消えない。 

そして今朝乳腺の病院から電話があり、機械のトラブルで今日の検査ができないと言われた。 改めて日程の調整をして検査は来月になった。

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