『不登校』

長男は中学生になると不登校になった。 毎日全く登校できないわけではないが、欠席、遅刻を繰り返していた。

そんな時小児科の先生に言われた。 「彼が学校に行かないのは彼にとって外が大嵐だからよ。誰だって嵐の日に外に出かけたくないでしょ。」 「だからね、無理やり行かせなくてもいいのよ。」

その言葉の表現だけ私の心に落ちてきた。 本当はどうしてうちの子だけが学校に行かれないのだろうかと心苦しかったが、なるべく長男の意思を尊重しようと心がけた。 本当は私のせいだった。 この時も気づかないふりをしていた。

そうやって時を過ごしているうちに長女が旅行先でひどい腰痛になった。 東京に戻った翌日旦那が病院に連れて行って病気がわかった。 脊髄辺縁部動静脈瘻奇形の破裂だった。 両足の感覚がほぼなくなっていた。

長女は自分の体のことを私に言えなかった。 私があまりにもひどい母親だったから。 いや、母ではなく自分のことしか考えていない人間以下の存在だったから。

彼女は3回にわたって手術を受けその後リハビリをし、8ヶ月の闘病生活を経てまた学校に通えるようになった。 本当に力強く、逞しく、体に少し残った障害にもめげずにしっかりと自分の目標に向かって歩き出した。

長男もなんとか高校生になることができた。

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